神奈川フィルの楽団員2人解雇、取り消し命じる
2014年07月25日 10時32分
神奈川県労働委員会は24日、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のコントラバス奏者だった男性2人の解雇が不当労働行為に当たるとして、同楽団に解雇の取り消しや解雇日以降の賃金を支払うことなどを命じた。
命令書によると、コントラバス奏者の布施木ふせき憲次さん(59)と杉本正さん(56)は約30年間、同楽団で活動を続けてきたが、〈1〉演奏技術が著しく低い〈2〉演奏中や練習における態度が極めて悪い――などの理由で2012年4月に解雇された。
県労委は「楽団は解雇によって、2人が所属する労働組合や分会の弱体化を企図したものと推認できる」と指摘。「2人の演奏技術の低下や態度の不良を解雇理由とすることにも合理性がない」とする判断を示した。
2人は昨年8月、同楽団に地位確認と解雇後の給与や慰謝料計600万円の支払いを求める訴訟を横浜地裁に起こしている。命令を受け、布施木さんは「合理的な解雇理由がないと認められてうれしい」と語り、杉本さんは「違法状態を長引かせることは楽団のイメージダウンになる。一刻も早く解消してもらいたい」と改善を求めた。
一方、同楽団は「解雇は楽団の秩序とコンプライアンスを守るために行った経営判断だ。不合理な命令に驚きを禁じ得ない。直ちに不服申し立ての手続きに入る」とコメントした。
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