マタニティハラスメント(マタハラ)とは

「マタニティハラスメント(マタハラ)」とは、働く女性が妊娠・出産を理由に解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメントをいいます。

 男女雇用機会均等法は、職場での性別の違いによる差別を禁止しています。募集・採用や教育訓練、昇進や昇給、定年や退職、あるいは解雇などについて男女を平等に扱うように定めています。

 事業主には男女雇用機会均等法により、母性健康管理に関するさまざまな措置を講じる義務があります。また、労働基準法にも母性保護のための規定があり、妊婦が業務上請求できる権利などが定められています。働く女性自身も法律や制度に関する知識や理解が必要となっています。

妊娠理由に解雇した医院を初公表 院長「妊婦いらない」

2015950953分 朝日新聞デジタル

 妊娠を理由に女性職員を解雇し、是正勧告にも従わなかったとして、厚生労働省は4日、男女雇用機会均等法に基づき茨城県の医院名を公表した。公表制度は1999年からあったが、実際に公表するのは初めてだ。

 厚労省が公表したのは、茨城県牛久市の医療法人「I」のU皮膚科医院(Y院長)。今年2月、正職員だった20代前半の看護助手の女性が、院長に妊娠したことを告げたところ、院長は後日、「妊婦はいらない。明日から来なくていい」と述べ、解雇したという。

 女性が茨城労働局に相談し、茨城労働局長や厚生労働相名による解雇の撤回を求める是正勧告を行ったが、院長は「均等法を守るつもりは無い」として従わなかったという。


妊娠を理由に降格することは許されるか

妊娠降格は「承諾なければ原則違法」 最高裁初判断

 妊娠を理由に降格されたのは男女雇用機会均等法に反するとして、広島市の病院に勤めていた理学療法士の女性が運営元に約170万円の損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は23日、「妊娠中の軽い業務への転換を契機とする降格措置は、女性が自由意思に基づき承諾しているか、業務上の必要性など特段の事情がある場合以外は、原則として違法で無効」との初判断を示した。

 その上で、降格を適法とした2審判決を破棄。例外的な場合に当たるかを判断するため、審理を広島高裁に差し戻した。

 5裁判官全員一致の結論。女性が妊娠や出産を理由として解雇や雇い止めになる「マタニティーハラスメント」への関心が高まる中、降格が均等法の禁じる不利益処分に当たるかが争点だった。企業などの対応に影響を与えそうだ。

 1、2審判決などによると、女性は平成16年4月に勤務先のリハビリテーション科副主任となったが、第2子を妊娠した20年2月に軽い業務への転換を希望。翌月付で副主任の地位を外された。

同小法廷は、降格措置による影響についての病院側の説明が不十分な中、女性は渋々ながら受け入れたに過ぎず、「自由な意思に基づいて降格を承諾したと言える合理的な理由がない」と指摘。業務上の必要性など特段の事情があったかについて審理を尽くすため、高裁に差し戻した。

 24年2月の1審広島地裁判決は「女性の同意を得た上で、病院側が裁量権の範囲内で行った措置」と請求を棄却。同年7月の2審広島高裁判決も支持した。

 上告審で女性側は「降格を簡単に許しては女性労働者に萎縮効果を与える。努力を重ねて得た地位を安易に奪うことは許されない」と主張。病院側は「副主任の免除を伴う異動は本人の同意を得ており裁量権の逸脱はない」と訴えていた。

 菅義偉官房長官は判決を受け、同日の記者会見で「妊娠、出産を理由にする不利益な扱いが法的に禁止されていることを周知徹底する」と話した。

2014.10.23 産経ニュースより



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